「すぐの振り返り」で売上拡大を目指そう

 皆さんは、売上目標を達成した時、「やった!」とか「よかった!」と喜んだり、逆に達成できなかった時は、「あーあ。」「どうしていつもこうなんだ!」と落ち込んだり自身をなくしたりしたことありませんか? あなたが喜んだり、悔しがったり感じることはとても大事なのですが、あなたの会社だけが経験した成功や失敗のそのような感じを、将来の売上を拡大するために活用してみませんか。

活用の方法は簡単です。ただ営業の流れや良かったこと悪かったと感じたことをすぐに振り返って記録するだけです。ポイント三つ。一つめは、「すぐに」振り返ること。二つめは、記録を会社のみんなと共有して良かったところ改善すべきところを考えること。三つめは、継続することです。それだけのことで、あなたの会社だけが知っている売上拡大のヒントやアイデアが、その中から必ずたくさん浮かびあがってきます。

スポーツ競技の世界になりますが、試合が終わった後すぐのインタビューで選手自身が試合の流れや良かったこと悪かったところを冷静に振り返って、とても具体的に分かり易くお話ししているところを聞いたことはありませんか。特に前向きな選手たちは、お話しているだけでなく、選手自身で記録をつけ、それを参考に今後の練習方法の改善や次の試合の臨み方を考えます。同じように優れたコーチや監督は叱咤激励しているだけでなく、実際に自分で見た試合の流れやチームの動き方や選手や感じ方を、冷静に「すぐの振り返り」をして、今後の指導や采配に備えます。あなたの会社もいつも他者と競争していることを考えると、ビジネスとスポーツの世界に共通するところがありそうですね。

我々中小企業診断士は、企業の活動や業績を現場インタビューや財務諸表等で振り返り、その企業にあった業績改善をアドバイスしたり、企業の経営者や従業員の方々みずから「すぐの振り返り」ができる仕組み提案をしたりすることを専門のひとつとしています。競争現場のいらっしゃる社長みずからも、ぜひ営業の流れや活動・営業員の感じを従業員と一緒に「すぐの振り返り」を早速やってみください。「すぐの振り返り」を継続して他社との競争を有利にすすめて売上拡大につなげていきましょう。

 

平成28925

一般社団法人神奈川県中小企業診断協会

登録グループ マーケティング実践研究会

室 芳樹