「最近商品の回転が悪くなった」、「売れると思っていた商品が思ったより売れない」、「品切れが目立つ」、そんな時は、力を入れるべき商品とそうでない商品のバランスが崩れてきているかもしれません。
力を入れるべき商品の見極めに効果的なのが「ABC分析」です。ABC分析とは、商品を売上金額(構成比)の多い順に並べ、重要度毎にA、B、Cランクに分類して管理する手法です。
Aランク商品:売上構成の6~8割程度を占める商品。通常1~2割の品目数。⇒ 重点管理
Bランク商品:売上構成の2~3割程度を占める商品。通常2~3割の品目数。⇒ 通常の管理
Cランク商品:残りの商品、通常5~7割の品目数。⇒ 簡易管理。改廃(入替え)候補。
ABC分析は一般的には下図のようなパレート図を用いて表されます。
【商品ABC分析図】
この図では全18商品中、上位3商品で約53%、上位8商品で83%の売上構成となっていて、残りの10商品は17%程度の売上しか占めていません。Aランク商品は欠品すると売上に大きな影響を及ぼしますが、Cランク商品は万一品切れしたとしても売上に与える影響は限定的で済みます。また販売促進活動を行う場合も、Cランク商品よりAランク商品を対象とした方がより効果が表れるでしょう。更にCランク商品の一部は改廃(入替え)の対象となることも考えられます。
「売れ筋商品やメニューの品切れが多い」、「販売促進の効果が弱い」、「品揃えが長期間変わらない」などの点が気になる場合、ABC分析の考え方を導入して商品管理を強化してみては如何でしょうか。
平成28年12月11日
一般社団法人神奈川県中小企業診断協会
登録グループ マーケティング実践研究会
中山 琢水