サラリーマンには、人事異動がつきもので、転勤や職務変更等があると、後任者をつれて担当変更の挨拶にいくことがよくありますが、相手先の担当者の関心が、後任者の方に集中してしまい、「今までどのような仕事を担当してきたのか」とか「趣味はどうか」「ゴルフはやるのか」の話題で時間が過ぎてしまい、今までお世話になった前任者への感謝の気持ちを忘れてしまいがちになることがよくあるようです。

こうした対応をしていると、前任者のあなたへの印象は悪くなり、巡り巡って何年か先に得意先の仕入関係の幹部になっていたりすると、売上拡大にマイナスの影響がでたりするかも知れません。

営業や販売は、最終的には人脈すなわち相互信頼に基づく人間関係だと言われております。

人事異動で前任者が後任者をつれて挨拶にきたら、後任者とはこれから何度でも話すことができ、前任者とはこれで最後の話し合いになるのですから、今までの感謝と今後担当する新しい仕事の内容をよく聞いて、「これからもよろしく！」　という気持ちを伝えておくと、前任者の心の中にあなたのことがしっかりと残り、先々何かあった時にあなたのサポートをしてくれるのではないでしょうか。

このことは、お店に入り、何も買わずに去ってしまうお客様に対しても同じことが言えます。

品物を見るだけで、触るだけで、何も買わずに帰ってしまうお客に対して、店を出るときに、冷たい視線で見ているだけではダメで、「又、おいで下さい。」と声を掛けると、また、店にきてくれて購入してくれるものです。人が誰もいない店には、入り難く、多くの客が入っている店には、入り易くなり、人気のある店となるのです。店に来た人には、買った人、買わなかった人にも「又、おいで下さい」と声を掛けましょう。その一言が、お店のファンを創るのです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2017年　6月　3日

 一般社団法人神奈川県中小企業診断協会

登録グループ　マーケティング実践研究会

上原英一