スポーツマンシップとセールスマンシップ

スポーツマンシップという言葉はよく使われます。

スポーツ大会の開会式では「スポーツマンシップにのっとり、正々堂々と戦うことを誓います」のような選手宣誓があります。

スポーツマンシップとは何でしょうか?

「フェアーに競技する」、「正々堂々と全力をあげて戦う」、「チームワークを重んじる」、「ルールやマナーを守る」、「相手をたたえる」のような姿勢・精神を言うのだと思います。

昔のイギリスでは「スポーツマンシップは、公正であることと粋(いき)であること」であったそうです。

 

「粋である」という表現はいいですね。

 

 ところで、スポーツマンシップとセールスマンシップには多くの共通点があります。フェアーであることはセールスでも同じです。

フェアーでなければお客さんに信頼してもらえません。

ルールやマナーを守ることはセールスの基本です。

全力をあげて戦う、ということはセールスにおいても競合に打ち勝つために必要です。

チームワークの大切さは、特に大型案件を受注するための営業活動において重要です。セールスマンは独自性が強く一人で頑張る人が多いのですが、大型商談ではチームとして活動しなければ成果が出ません。相手をたたえる、ということに関しては、商談で競合に敗れても、それを前向きに受け入れることが必要です。

 

私が昔所属していた会社の営業マンであった時には、同業者の懇親会に参加して競合の営業マンと食事をすることもありました。お互い切磋琢磨することは大切なことです。優れたスポーツマンは粋でもてますが、優れたセールスマンも粋でもてることは共通点ですね。

優秀なセールスマンは顧客からも自社の社員からももてます。

 

 スポーツマンとセールスマンに違いがある点としては、スポーツマンにはプロとアマチュアがありますが、セールスマンはすべてプロということでしょうか。プロである以上、厳しさが伴います。プロで優秀な成績を出しているスポーツマンは、元々の素質と厳しい鍛錬の両方が必要です。

しかしセールスマンは、元々の素質があまりなくても、厳しい鍛錬で優秀な成績が出せるという違いがあります。

 

平成29125

一般社団法人神奈川県中小企業診断協会

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香川 哲